はじめに

Next Future

ブロードバンドの普及を受け、インターネットの更なる進化が期待される中、時代は正にユビキタス(ubiquitous)へと突入する勢いです。


昨今、国内ではインターネットのブロードバンド化が急速に進み、FTTH、ADSL、CATVを合わせたブロードバンドユーザは現在その人口は7,000万人強と言われています。
家庭からのブロードバンド人口は2006年に既に3,700万人にも達しています。
パソコン通信時代からのダイアルアップを中心としたナローバンドは完全になりを潜め、ADSLでは通信速度は16倍にも達し、価格はその反面、半額以下に達するまでになりました。FTTHにも急速な勢いで価格低下が起きています。
このように日本は世界でも希に見るすばらしいインターネットインフラを有する国となりました。


しかし、これは言うなれば単なるインフラ・基盤に過ぎません。
今後の課題としては、この高速化されたネットワークをどのように活用し、安全に、便利に、低価格で、様々なビジネスを展開していくかだと思われます。


最近インターネットの普及に伴い、ソフト・コンテンツの販売方法は従来のパッケージ販売からダウンロード販売やストリーミング配信、ASP、SaaSへと移行しています。
映画や音楽では、iPod、iTunes Storeに代表されるように特にその動向は顕著に現れ、コンテンツも収集型から消費型へ移行し始め、低価格化も益々進んでいます。
また、これから情報家電、ホームネットワークも各家庭に次第に浸透して行き、ユビキタス、シームレス、P2P等便利な時代の到来は直ぐそこにやってくることでしょう。


ところが、そのような様々なデジタル情報化の恩恵の一方で、ソフト・コンテンツ業界を悩ませているのが、デジタル情報故の不正利用や海賊版の横行なのです。
不心得なユーザのネットを使ったファイル交換ソフト(winny、WinMX)での海賊版の不正配布・入手は、もはや数百万(日本国内)の利用者を抱えていると言われています。
従来、ソフト業界では不正利用問題の対抗策としてCD、DVD等へのメディアプロテクトが主流でしたが、昨今のインターネットの普及とハードウェアの個体識別機能の充実が引き金となり、DRM(デジタル著作権管理)技術として、ネットからのライセンス認証を採用する動きが急速に高まりつつあります。


弊社ではネットワーク認証型DRM「Buddy」を1999年に設計し、2000年、2002年と特許申請(韓国・台湾・中国取得済)し、2004年3月には富士通グループの国内最大のISP(インターネットサービスプロバイダー)である@nifty様に採用され、本年4月にはポータル国内最大手のYahoo!様内でもセキュリティ製品に当社技術が採用されました。
また、2006年7月21日には弊社直営のソフトウェアダウンロード販売サイト「highclick.jp」をグランドオープンいたしました。
そして本年に入り、日経新聞、日経産業新聞で記事掲載されたカード型ソフトウェア販売システム「L.A.C.カード」サービスもスタートしております。
更に、「Buddy」技術を応用し、「DLカフェ」としてインターネットカフェ、ビジネスホテル、病院、老人ホーム向けにソフトウェア、コンテンツのライセンス許諾販売という新しいビジネスモデルも構築中で、試験運用も間近です。
弊社事業の中核は言うまでもなく、DRM技術「Buddy」ですが、このように様々なプロジェクトを通して、その技術的優位性、確固たるビジネスモデル企画力がここに来て際だってきているのも事実です。


弊社では、インターネットのインフラの整った今こそ、ソフト・コンテンツの制作者を保護した安全なマーケットを形成し、消費者には真のユーザビリティを実現した安心できるIT社会を実現することがコンピュータ、インターネットという産業革命にも匹敵する財物を手にした時代の我々の重要な使命だと認識して社業に邁進しております。


すばらしい未来のその先、「Next Future」を築くためにもDRMは次の世代のキーワードです。